積水ハウスのコスパ分析~鉄骨住宅~
このページでは、積水ハウスはお買い得なのかどうかを分析しています。
採用する設備や仕様によって、コスパは変わってきますが、ここでは、積水ハウスで建てる人が多い住宅仕様で掲載しています。
積水ハウス(イズ・ロイエ)の外観
参考価格
坪あたり90万円(諸経費込み)
坪単価90万円の参考価格は、人気の高い「イズ・ロイエ」のもの。
大手ハウスメーカー中でも、トップクラスの価格帯なのです。
評価
住宅性能・設備
地震動エネルギー吸収システム「シーカス」
地震の時でも住宅の変形量を1/2以下に抑えるので、内装クロスや外装材の損傷を軽減できるシステム。
「シーカス」に内蔵されている特殊高減衰ゴムは、エネルギー吸収率約60%。
耐用年数100年の耐久性があるので、半永久的に安定した性能が得られるということです。
実験の結果、シーカスの効果は、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の約10倍というエネルギーでも、シーカスを装備した積水ハウスは倒れることなく、外壁の割れ・剥がれもなかったそうです。
ダインコンクリート
耐火性、耐久性を追求したRCコンクリート。
RCコンクリートは、面白みのないシンプルなデザインが主流でしたが、ダインコンクリートはデザイン性も重視されて造られています。
コンクリート内部の気泡が独立した造りなので、水分を通さないのも高評価。
酸性雨、排気ガス等の外部環境の影響を受けても、化学変化をおこしにくいコンクリートなので、変質、変形のなく耐久性は折り紙つき。
光触媒塗装やコケやカビなどから守る防汚塗装をはじめ、紫外線からの色あせも防止する「タフクリア-30」プログラムは、長期のメンテナンスフリーに貢献しています。
空気環境配慮仕様「エアキス」
「宅内で発生する化学物質をできるだけ出さない」「空気をきれいにする内装材の使用」という内側の取り組み。
そして、「花粉や大気汚染など、汚れた外気を入れない」「換気システムできれいな空気だけを循環させる」という外側の取り組み。
その2つを総称したものが「エアキス」というもの。
換気システムは、プレミアムグレードの全館空調、ハイグレードの熱交換型第1種換気、スタンダードの第3種換気を用意しています。
評価
設計能力
積水ハウスの設計士は、積水ハウスの社員で構成されています。
極端な話、設計プランがどのようなものでも、社員である限り、毎月安定した収入が得られるということです。
ある程度、テンプレート化された設計プランを基本として、設計をくみ上げていくので、当たり障りのない無難なプランが出来上がるというわけです。
担当設計士によって、素晴らしいプランに出会えることもありますが、基本は、良いとも悪いともいえないプランが出てくるという評判です。
良い設計士に巡り合えることを祈るばかりですね。
積水ハウスは尺モジュール(910mm)ではなく、mモジュール(1000mm)を基本設計としているので、廊下、トイレ、お風呂、階段は広々としたものになります。
逆に、リビングやダイニングが少しせまく感じるので、建築する敷地が狭いと、期待していた間取りは難しくなる可能性もあります。
また、mモジュール(1000mm)は、建築部材が少々高くなるので、設計プランによっては、尺モジュール(910mm)のハウスメーカーとほぼ同じ間取りなのに、費用が予想以上に膨らむデメリットもはらんでいます。
積水ハウスの場合は特に、設計士の腕や意欲に、施主が影響を受けそうです。
評価
施工能力
積水ハウスの施工部門は「積和建設」が担っています。
積水ハウスが100%出資する会社なので、積水ハウス本社が直接、施主に施工責任を持っているということになります。
他のハウスメーカーでは、代理店方式も多く、ハウスメーカー代理店と施主との施工契約になるので、不良、不具合があっても本社は一切責任を持たないものです。
代理店で起きた問題は、本社は一切、感知せず、状況把握をしないため、代理店への指導も不十分で、代理店が同じ失敗を何度も繰り返すといった状況は、よくあることです。
一方、積和建設の施工ノウハウ、施主の要望は、積水ハウスに蓄積されていくために、試行錯誤が可能となり、施工能力は磨き上げられていきます。
積和建設が忙しくなると、地元の工務店などに積和建設の下請けとして施工を依頼することもあるようですが、積水ハウス本社が、施工状況を把握しやすいスタンスである直接責任施工体制は、大きな意味を持っています。
評価
維持費(ランニングコスト)
積水ハウスでは3種換気システムがあってランニングコストを抑えることができますが、全館空調を採用した場合は、換気をするだけでも月々の電気代が高額になってしまうことや、保守などのメンテナンス費がかかってきます。
全館空調を採用したすべてのハウスメーカーに言えることですが、故障した場合は、一気に数百万円がとんでしまうので、覚悟が必要です。
ランニングコストを考えれば、採用率が多いアクティブ換気システム(第3種換気システム)が無難でしょう。
第3種換気であれば、月々数百円程度で済みます。
新築10年後の定期点検には、住宅保証延長の工事を受けるように勧められるため、20万円ほどの用意が必要なことや、新築30年後までの外壁塗装の塗り直し、屋根瓦葺き替え費、などのメンテナンス費も考えておく必要があります。
評価
売却価格
積水ハウスはハウスメーカーのトップブランドなので、売却価格も高値で取引されやすいことが特徴です。
また、「住宅履歴データを保有している住宅」「50年以上の長期点検・補修制度に対応する住宅」「一定の耐震性能を備える住宅」が条件のスムストックに積水ハウスも加盟しているため、売却価格も正当な評価を得て安定しています。
他のスムストックに加盟しているハウスメーカーとの違いは、取引数が多いこと。
販売戸数のトップを走っているので、全国に積水ハウス住宅の流通量が多いわけですが、その反面、売却価格が不利に働くこともあるようです。
評価
積水ハウスのコスパまとめ
積水ハウスは、ブランド力が高く、特に女性の間で人気が高いものです。
ハウスメーカーのトップランナーなので、平均的な優等生扱いとしてランキング1位に挙げられることも多く、とりあえず積水ハウスにしておけば間違いはないという印象は、少なからずあるでしょう。
積水ハウスに住んでいると聞けば、それだけで「セレブだ!ステキな家に住めていいなぁ~」と羨ましがられることも多いもの。
ただ、私の私見で分析をしてみた結果、特段、目立つようなウリはダインコンクリートぐらい。
制震装置も他メーカーと比較して、シーカスでなければならない理由もありません。
全館空調もバリエーションにはあるものの採用している人も少なく、優位性を感じることができません。
メーターモジュール(mモジュール)の建材で設計しているので、他メーカーと同じ間取りにしても、建築費のアップは免れない。
CMを含めブランド戦略を重視しているハウスメーカーだからなのか、価格の割にはコスパが低いと感じてしまうのです。
総合評価