鉄骨軸組工法で選ぶ~バランスの取れた性能~
鉄骨軸組工法とは柱と梁で組み上げ、補強材として鉄骨を交差させたブレースと呼ばれるものを使用した工法。
木造住宅で言う在来工法の鉄骨バーションです。
他の鉄骨工法に比べて、耐震性を保ちつつ、間取り設計がしやすいことが特徴。
大手ハウスメーカー12社の中で、鉄骨軸組工法を採るメーカーを決め手とするなら、
積水ハウス(鉄骨)
ヘーベルハウス
ダイワハウス(鉄骨)
トヨタホーム
パナソニックホームズ(旧パナホーム)
サンヨーホームズ
がオススメです。
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積水ハウス(鉄骨)
ユニバーサルフレームシステム
独自の通し柱のいらない梁勝ちシステムにより、耐震性と間取りプランの自由度をさらに両立した構造。
構造に組み込んだ通常の2倍の耐力壁は、1階の間取りに左右されることなく、2階の間取りを自由に決められる強みがあります。
その他、積水ハウスが進化させた鉄骨軸組工法では、最大5m+5mの大開口を作れたり、6m×6mという大空間の吹き抜けを間取りに取り入れることも可能。
また、梁勝ちシステムを利用した最大1.5mのオーバーハングも可能で空間の有効利用が図れます。
鉄骨住宅は材質から、オシャレな間取りプランが作りにくく、単調な住宅になりがちですが、積水ハウスのユニバーサルフレームシステムなら、ある程度、自分のワガママを叶えたプランが出来そうですね。
ヘーベルハウス
ハイパワード制震ALC構造
制震フレーム「ハイパワードクロス」と「剛床システム」を組み合わせた構造を持つヘーベルハウス。
鉄骨軸組工法を基本としながらも、構造を補強する全ての「ブレース」部分には制振デバイスを組み込んだ強力な仕様。
従来からの鉄骨軸組工法の弱点であった巨大地震に対する「ブレース」部分の弱さを、はるかに強化した理想的な構造を持ちます。
鉄骨とALCコンクリートをふんだんに使用した強固な構造を保ちながらも、間取りの空間設計力は特筆すべき点。
限られた敷地であっても、高さを変えずに天井や床の高さをシフトさせる「クロスシフト」の考案で多層空間を生み出し家全体に広がりを持たせることが出来るのです。
制約の多い土地でも、設計プランの工夫がしやすい構造となっています。
また、ヘーベルハウスはプランの段階から「日照」「日射」「通風」「採光」を科学的な検証で確認できる「ARIOS(アリオス)」というシミュレーションシステムを導入。
住んでみないと分からない室内環境をあらかじめ設計段階で確認できる仕組みは、比較的、間取り設計に融通が効きやすい鉄骨軸組工法なのだからかもしれませんね。
ダイワハウス(鉄骨)
トリプルコンバインドシステム
ダイワハウスの鉄骨軸組工法の特徴は、メインとなる鉄骨柱の両側ごとに、パネルフレームを挟み込んで一体化したものです。
「強力な軸組となる柱」に「ブレースを組み込んだパネルフレーム」を両側から補強し、3つを1セットで織り成す構造は、縦横からの地震エネルギーを軽々と吸収します。
さらに、オプションで制振装置も設置すれば、鬼に金棒と言ったところでしょうか。
ダイワハウスも鉄骨軸組工法を活かした間取りプランが可能です。
例えば、22.7cmきざみで寸法を調節出来るため、法律の規制や複雑な形状の敷地条件に容易に対応することが可能なんです。
また、天井高2m72cm、開口幅最大7m10cmと大きな空間を作りだせること、また、2階の屋内空間を最大1m82cm広げることが可能で敷地の厳しい制約のなかでも、ゆったりとした間取りプランが実現できるところが魅力です。
トヨタホーム
EST工法
トヨタホームの鉄骨軸組工法は、25cm単位で建物寸法調整や建物配置が可能。
狭い敷地や形状のイビツな土地でも柔軟なプランニング設計で、快適空間を作り出せます。
トヨタホームの間取りの自由性の高さは、工業化住宅で難しいとされていた曲線を描く外観を作り出せたり、大空間の創出や窓の位置を自由に配置できること、近隣の建物に合わせた採光、風通しのよい住宅を容易に作り出せることから伺えます。
鉄骨住宅でアール形状の外観は珍しく、独特の特別感に惹かれます。
柔軟な設計力の秘密は、通し柱が不要な梁勝ちシステム。
各階ごとに柱の位置を変更できることにあります。
だから、1階と2階で思い思いの希望の間取りプランも可能。
その技術を支えているのが、耐力壁としての役割を果たす、ジグザグ状の「ラチス柱」。
一般的なブレース工法の約4倍の耐力を誇るので、少ない耐力壁で一般的な鉄骨軸組工法と同等以上の耐震性を保てることにあります。
ちなみに、2階建でも、3階建でも全く同じEST工法で建築しているとのこと。
本来3階建てに対応する構造体で、2階戸建住宅を作っているので耐震性も抜群ですね。
パナソニックホームズ(旧パナホーム)
HS(ハイパースペース)構法
HS構法の最も大きな特徴は、業界で最小の15cmきざみで、空間の広がりや天井高を細かく調整できること。
これによって、狭小地や、形状の複雑な土地でも、敷地制限ギリギリまで空間を活用できるメリットがあります。
また、天井高も15cmごとの調整が可能なので、空間設計など、よりこだわり深いプランが実現できます。
パナソニックホームズの鉄骨軸組工法も、進化した軸組工法という事ができ、それはブレース部に「座屈拘束+低降伏点鋼」を使用した制振装置「アタックダンパー」を採用していることからも明らかです。
高層ビルでも使用されている、この技術は地震エネルギーを熱に変換して揺れを吸収するもの。
そのアタックダンパーを仕込んだ耐力壁をポイントごとに設置しているので、耐震性は折り紙付きです。
5寸角の檜柱に匹敵する80mmの鉄骨柱と大スパンを可能にする鉄骨梁をガッチリ組み合わせた構造なので、大空間の間取りも容易。
何より予算や居室の活用方法に合わせて細やかな間取り寸法を、調整できるところが、パナソニックホームズの鉄骨軸組工法の良さではないでしょうか。
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サンヨーホームズ
GSフレームシステム
鉄骨軸組工法だけに柱が間取りを邪魔しないGSフレームシステム。
ラーメン構造と比べても、柱の形が間取り空間内に出ないので、すっきりとした空間設計が可能です。
バランスの良い左右対称の角パイプ柱や、業界でもトップレベルの大型の梁が特徴の構造体です。
サンダブルエックスという高減衰ゴムを使用した制振装置は、他メーカーに劣らない高性能な地震吸収システム。
鉄骨軸組工法の弱点を補うに余りある強固な構造体となっています。
特筆すべきは、鉄骨トラス屋根構造。
2階には柱を要しない大型空間を作り出せるという設計に、活用方法の幅も広がります。
鉄骨トラス屋根構造により創出できる大空間は、柱なしで最大9.1m。
最大100帖もの無柱大空間で将来的な間取り変更も容易なのです。