ダイワハウスのコスパ分析
ダイワハウスのコスパが気になる人は必見!
ここでは、ダイワハウスを選んだ人が建てた、人気の高い仕様でコスパ分析しています。
ダイワハウス(xevoΣジーヴォシグマ)の外観
参考価格
坪あたり85万円(諸経費込み)
参考価格はxevoΣ(ジーヴォシグマ)のものです。
評価
住宅性能・設備
エネルギー吸収型耐力壁D-NΣQST(ディーネクスト)
ダイワハウスの制震装置がD-NΣQST(ディーネクスト)と呼ばれるものです。
制震デバイスの要となる部分にΣ形の断面形状を使用しているのですが、これは地震エネルギーを効果的に逃がすように開発されたものなのです。
一度、大きな地震エネルギーを受けると、制震装置のダメージも心配になりますが、D-NΣQST(ディーネクスト)は、震度7クラスの地震に連続して耐える強さを持っているといわれています。
あくまで、制震装置は、地震による揺れ幅を抑えて、建物の揺れをいち早くしずめることで、外壁や構造体のダメージを最小限に抑えるもの。
特に、内装関係のダメージが完全に抑えられるものでないことに注意が必要です。
外張り断熱通気外壁
断熱材を鉄骨柱の間だけでなく、外側にも設置することで、熱橋という鉄骨住宅の弱点を補った断熱工法。
外断熱を可能にしているのは、一般的なグラスウールの約1.5倍の断熱性能を持っている「高密度グラスウールボード」です。
高密度グラスウールボードは、高い防水性・撥水性のほか防火性も持っていて厚みがなくても十分な断熱性能を発揮するので鉄骨住宅に相性が良いのです。
湿気がこもらないような配慮と、万が一の湿気の流入も通気層から排出するというダイワハウスの自慢の外壁構法なのです。
大手の鉄骨ハウスメーカーでも外断熱に踏み切れていないところが多い中、ダイワハウスの大きなウリとされる特徴です。
空調システム「エアスイート」
リビングなどに取り付けたメインコントローラーで、各部屋のエアコンを集中コントロールできる空調システム。
各部屋の温度を毎日、自動コントロールできるもので、生活に合わせて「4つの運転モード」が選べます。
空調システム「エアスイート」を利用するためには、部屋分のルームエアコンを施主側で用意しなければならないことに注意ですね。
エアコンは、今まで使用していたものでもよいし、別途、市販でエアコンを購入したものでもよいです。
もちろん、エアコンを一式、ダイワハウスから購入することも可能ですが、自分で用意する場合は、システムに対応するエアコンを選択しましょう。
他メーカーの全館空調は、時代が進めば旧型になって取り換えが困難ですが、エアスイートなら部屋ごとにエアコンのみを取り換えれば最新機種として使い続けることが可能です。
空調システム「エアスイート」は、各部屋に足を運んで、エアコンの設定をしたり、電源を付けたり、消したりする手間を、一か所のメインコントローラーのみで操作できるものというイメージです。
評価
設計能力
ダイワハウスの構造での設計の優位性は22.7cmきざみで間取りをつくれること。
狭い敷地でも、柔軟に間取りを調整して建てられるメリットがあります。
ダイワハウスも他のハウスメーカーの多くと同じく、営業マンや社内の設計士が間取り提案や構造設計をしているので、設計品質のバラツキが心配です。
また、ダイワハウスは住宅以上に、複合商業施設や医療施設、物流施設などの大規模物件など手がける企業としても有名です。
なので、幅広く手掛けている反面、住宅設計専門でない設計士が担当する可能性があることにも不安を感じます。
ただ、設計士の質を高めるために「ハウジングマイスター認定制度」というものを設けていて、社内研修や技術の指導を行い、社内全体の設計力の向上に頑張っている姿勢は評価できそうです。
最後に不安を覚えることが、2019年5月31日に発覚した、住宅約2千棟で建築基準法違反が見つかった問題。
今回が初めての建築基準法違反ではなく、2014年から2016年の間にも3回、施工不良があったということで今回で4回目だということです。
ダイワハウスの設計士のモラルや社内点検体制の甘さが露呈してしまったので、施主側もしっかり目を光らす必要がありますね。
評価
施工能力
ダイワハウスは直接、本社が施工するのではなく、総合施工店という名の下請け業者が担当します。
下請け業者になるためには最低限の審査と、その工事監督は、2年に1回の研修を受けることになっていますが、他のハウスメーカーと変りばえのない施工能力という印象です。
品質を確保するための検査も、下請けや社内での身内だけのチェック体制になっているところが残念。
施工会社の不手際も多いという口コミもありますが、これはダイワハウスだけに限ったことではありません。
いずれにせよ、下請け業者の当たり外れがあるということで、契約前にどこの施工業者が担当するのかを、しっかり調査しておく必要がありそうです。
評価
維持費(ランニングコスト)
ダイワハウスの24時間換気システムは第3種換気という一般的なシステムを標準としています。
シンプルな換気システムを採用しているので、ランニングコストも抑えられ故障時も安価で済むところがメリットです。
また、エアスイートで適切な空調管理をすれば、計画的に光熱費を抑えることもできるし、鉄骨ハウスメーカーでは珍しい外断熱工法のメリットを生かした断熱性能も相まって、ランニングコストに悲鳴をあげることは少なそうですね。
エアスイートは、全館空調とは違い、故障時はメインの空調システムを修理するのではなく、故障した個別エアコンのみを修理する、または買い替えるのみで事足ります。
ただ、オール電化なら、ランニングコストの軽減につながりますが、ガスを利用する場合は、期待したとおりにはいかないかも知れません。
ダイワハウスの外壁については、光触媒塗装を施したサイディング。
持ったとしても、30年後には塗装の補修が必要になるので、その点は防水工事、瓦葺き替えなどを含め、他のハウスメーカーと変わりばえがなく、まとまったメンテナンス費用が必要です。
評価
売却価格
ダイワハウスの住宅はスムストック査定の対象となっています。
建物価格と土地価格を別々に分けて評価し、構造(スケルトン)と内装・設備(インフィル)に分けて査定してくれるので、適正な住宅価値で売却することができます。
スムストックで定められた基準で、専門の住宅販売士が査定するので、安心ですね。
また、ダイワハウスは、「移住・住みかえ支援適合住宅」に認定されています。
これは、転勤や住み替えなどで、だれかに住宅を貸したいというときに、スムーズに手続きできる制度です。
国が保証する「マイホーム借上げ制度」もありますが、これは50歳以上でないと利用できないことや、建物診断を条件にしている制限付き。
その点、ダイワハウスでは、年齢制限なしに建物診断もなしで、マイホーム借上げ制度を利用でき、容易に家賃収入を得ることができるのが、良いところですね。
ただ、スムストックや移住・住みかえ支援適合住宅についての優位性は、ダイワハウスだけでなく、大手ハウスメーカーなら利用できる制度なので、特別、ダイワハウスが他より優れているというわけではありません。
ダイワハウスの住宅価値は、住宅購入価格帯が近いパナソニックホームズと同等といった感があります。
評価
ダイワハウスのコスパまとめ
他の鉄骨ハウスメーカーは、充填断熱工法のみを採用しているところがほとんどのところ、ダイワハウスでは、鉄骨構造に適している外断熱工法で、熱橋という鉄骨の弱点を補っています。
また、制震装置D-NΣQST(ディーネクスト)、空調システム「エアスイート」、光触媒サイディング外壁など、バリエーション豊かな性能がそろっています。
気になる住宅価格帯も、高性能の割に抑えられているので、コスパは高い住宅だと感じます。
ただ、ダイワハウスの住宅性能は、いずれも他のハウスメーカーの性能を追随したものが多いです。
制震装置や光触媒外壁、空調システム、外断熱工法、どれをみてもパイオニアとは言い難いハウスメーカーではないでしょうか。
なので、ダイワハウスイズムのような、独自のアイデアで考え出したウリというものが、見えてこないのが残念です。
でも、裏を返せば、それぞれのハウスメーカーの良いとこ取りをしているハウスメーカーなので、ツボにはまれば、魅力が高い住宅だと言えそうです。
総合評価